巻頭言 Vol.47 No.1 2011
年頭にあたり
安房医師会会長 宮川 準
この4月で、安房医師会病院を太陽会に移譲し、安房地域医療センターとしてrestartしてから3年が経過する。当初1年は混乱を回避するために医師会病院の業務を改変することなく継続することが、太陽会と安房医師会の間で合意された。
昨年から徐々にではあるが医師会病院を失った影響が出来してきている。 医師会事務局は昨年4月から旧安房看護専門学校跡地に移転。その名称を安房医師会館として業務にあたっている。理事会・全役員会は2階・3階の元の教室を使用している。2年間宙に浮いていた歴代会長の肖像写真を飾ることができたことは幸いであった。また、未使用の部屋は看護協会安房支部・安房歯科医師会・薬剤師会に声をかけ、有効利用していただいている。
実施主体を失った総合検診に対して、その運営の在り方について検討する「総合検診検討委員会(清川恒委員長)」を2010年9月28日付けの会長諮問委員会として立ち上げ、討議を行った。 11月9日の答申書には「安房医師会が検診主体となるべき医療機関をもたないことから安房地域の市町村国保組合が行う総合検診事業に関し、その契約を解き、今後の総合検診は保険者と検診事業者との直接契約に委ね、総合検診事業に関する契約を解くべきである」とあり、その時期を「平成24年度から」としている。この答申を重く受け止め、この1年、保険者・太陽会・各医療機関・安房医師会会員と折衝を重ね、よりよい総合検診の構築に力を注いでいきたい。
安房医師会の組織の在り方が問われている。対外的には極めて公益性の高い組織と認識している。今後公益法人を取得するか、一般法人で継続するか模索する年でもある。担当の小嶋専務理事には今年もご苦労をお掛けすることになる。
安房医師会が取得している土地・建物の処分も喫緊の課題である。顧問税理士・弁護士の意見も参考に対応していきたい。
上記のいずれもが、安房医師会病院を失った負の遺産によるものと重く受け止めている。移譲の責任者である私が会長職を留任した所以でもある。しかしながら両副会長・専務理事以下、精鋭の理事者・諸役員は一枚岩で対処する力・まとまりがあると確信している。本年も諸事多難ではあるが、安房地域住民の健康維持・安房地域の医療の向上を実践する主体として安房医師会の存在意義を確固たるものにする年と位置付けたい。
「初日さす 鏡の湾に 舫う船」 如水明鏡止水、この1年も心穏やかに過ごしたいものと願っている。